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3日間にわたるWHO GOARN関連イベントを開催しました!

2023年11月15日(水)~17日(金)

 国際感染症センター 国際感染症危機管理対応推進センターが、世界保健機関本部(WHO HQ)とWHO西太平洋地域事務局(WPRO)の協力のもと実施している「GOARN(注1)派遣人材育成研修(GOARN Tier1.5 Training Workshop)」が今回で5回目を迎えました。
今年度はWHO HQのMs. Renee Christensen, WHO WPROのDr. Sharon Salmon、そして、University of Western AustraliaのProfessor Paul Efflerが講師として来日しました。特に今回は日本人講師による持続的な研修実施を目指し、11月15日に「Training of Trainers for GOARN Tier1.5(TOT)」(指導者育成研修)を開催、13名にファシリテーション概要や方法等を伝授した後、翌日の本研修を分担して進行、そして参加者間の議論を促進するための練習を行いました。11月16日の研修では、疫学、ケースマネージメント、感染予防管理、検査分野の専門家27名(外国籍8名含む)が一堂に集まり、GOARNの仕組み、目的、役割、業務、派遣状況についてのプレゼンテーションを受け、派遣規則や現地での行動規範などを、グループワークを通して学びました。
今回は4名の日本人GOARN派遣経験者(井手一彦氏(厚生労働省福岡検疫所)、足立拓也氏(東京都立豊島病院)、古瀬祐気氏(長崎大学)、古宮伸洋氏(日本赤十字社和歌山医療センター)【発表者順、所属は研修実施時点】)が、コックスバザール難民キャンプでの衛生支援(バングラデシュ)、コレラ(イエメン)、ジフテリア(バングラデシュ)、ラッサ熱(ナイジェリア)、エボラウイルス病(西アフリカ、シエラレオネ)対応でのGOARN派遣についての経験談を語っていただき、参加者は GOARN 派遣における心構え及び実際の現地での具体的な活動について知識を深めることができました。
11月17日には、「第二回日本国内GOARNパートナー機関エンゲージメント会議」が開催され、33名(会場・オンライン)が参加しました。今回は、オーストラリアのGOARNパートナー機関2名(Professor Paul Effler(University of Western Australia)、Dr Peta-Anne Zimmerman(Australasian College for Infection Prevention and Control))によるオーストラリアでのGOARN活動が発表され、日本とオーストラリアのGOARN支援要請への応募と派遣実績についても把握することができました。また、パートナー機関対象の事前調査に関する結果発表が行われ、GOARN活動を進める上でのパートナー機関の取り組み・課題などが共有されました。参加者からは、他国の情報を聞ける貴重な機会となった、現状把握ができ今後の課題が明確となった、パートナー機関としての役割が明確化できた、人材発掘に向けたGOARN活動の啓発が必要などとの意見がアンケートに寄せられました。
国際感染症危機管理対応推進センターでは今後も国内外での感染症危機を乗り越えるためにWHOや日本国内のGOARNパートナー機関と協力・連携し、人材育成に努めて参ります。

注1 GOARNとは:Global Outbreak Alert and Response Networkの略で、世界保健機関(WHO)やパートナー機関により設立されたエボラウイルス病等の国際感染症の危機発生時に世界屈指の感染症対策チームを迅速に派遣・運営する国際的な枠組みです。GOARNミッションへの派遣には、GOARN研修の修了や国際的なアウトブレイク対応の経験が重視されています。
(GOARNの公式サイトはこちらです)

大曲貴夫氏(国立国際医療研究センター副院長・国際感染症センター長)による日本のGOARN活動についての発表
研修参加者からの期待をまとめるDr Salmon(WHO WPRO)
研修の様子
現地での経験を語るGOARN派遣経験者